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令和2年4月からの法改正で変わること

1.民法の一部改正について

  ・保証契約

  ・消滅時効  
2.働き方改革関連法
3.健康増進法の一部を改正する法律
4.新学習指導要領の全面実施
5.源泉所得税法
6.児童福祉法等の一部を改正する法律
7.新たな食品表示制度

民法の一部改正について

2020年4月より、民法が大幅に改正されます。その中で大きく変わったものを紹介します。

 

 

1.保証契約の改正 ~不当な制度の見直し~

 

(1)連帯保証

連帯保証契約をする際には、債権者や主債務者は保証人になる人に対し情報開示が必要になります。また事業性のあるものの保証については、原則公証役場での保障の意思確認が求められるようになり厳格化されるようになりました。(会社の役員等が会社の債務の保証人になる場合は不要になるなど例外があります。)

 

(2)根保証

債権の上限を決めない保証について(例えば家賃の保証、会社の労働条件としての身元保証、病院費用の保証などが考えられます。)、契約時に上限を設ける必要があることになりました。

保証人からしたら、無制限に保証しなくてはならなくなるため不当になることが多く、保証人になることの危険性が高いものでした。

 

 

 

2.消滅時効の改正 ~時効期間の見直し~

 

(1)消滅時効の原則一律化

消滅時効とは、放置したら消えてしまう債権のことです。飲食店のツケは1年で消滅します。商取引の債権は5年で消滅します。

一般の債権は10年で消滅します。などなど、ケースによって消滅期間が異なっていましたが、個別のケースでは不公平になることから、むしろ区別する必要がないため、時効消滅期間を下記のように一律化しました。

 

    原則債権は、行使できるときから5年で消滅する。債権発生から10年で消滅する。

 

(2)例外もあるので注意

消滅期間は一律化しましたが、不法行為による損害賠償請求などは消滅時効は3年間と以前のままです。給与債権は以前は2年となっていましたが、今回の改正で5年とはならず、3年となる可能性があります。今後注意が必要です。

 

 

働き方改革の改正

労働法の改正は、以前から改正が多く去年から働き方改革として見直され続けています。

2020年4月より、働き方改革により、また一歩改正されます。

 

1.正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差の禁止

  同一の労働をしている場合は、正社員・非正社員問わず同一の賃金でなければならない。

 

2.時間外労働、長時間労働の是正

  中小企業も時間外労働の上限規制導入
  原則として月間45時間、年間360時間

 

 

健康増進法の一部改正

2020年4月1日より、昨年より一部施行となっていた「健康増進法の一部を改正する法律」が全面施行になり、屋内施設が原則禁煙となります。

 


今までは病院学校、市役所や児童福祉施設が原則敷地内禁煙でしたが、それ以外の施設での屋内も原則禁煙となりました。

 

 

・屋内の施設で原則禁煙
・屋内での喫煙は喫煙室の設置が必要
・喫煙室は標識掲示
・20歳未満は喫煙エリアへの立入禁止

 

学習指導要領の改正

2020年度から小学校で新学習指導要領が実施。中学校は2021年度から実地。高校は2022年度から実地されます。

・外国語教育の強化
・理数教育、伝統文化、社会など教育内容の充実
・コンピュータを用いた教育

源泉所得税の改正

給与所得控除の見直し
基礎控除の見直し
所得金額調整控除が創設
公的年金控除の見直し
各種所得控除を受けるための扶養親族などの合計所得金額要件等の見直し

年末調整関係手続きの改正

児童福祉法等の一部改正

児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律が2020年(令和2年)4月1日より施行されます。 児童虐待防止の強化が中心となります。

 

 1.親権者等による体罰の禁止
 2.児童相談所の強化

食品表示制度の見直し

食品表示に関して事業者が対象のルールが定められていますが、その移行への猶予期間が2020年(令和2年)3月31日までとなっています。


事業者はこの期間までに表示を新しいルールへ変更しないといけません。

 

1.栄養成分表示の義務化
2.その他、添加物やアレルギーなど表示に関してのルール